今アプリを開発しているなら、「いつかは売却する」ということを考えたことがある人も多いでしょう。
しかし、実際に買い手にとって魅 力的なアプリとは何なのか?そして、どんなミスが取引を台無しにするのか?
今週のSub Clubポッドキャストでは、世界有数のアプリ買収企業のひとつである BlueThrone の事業開発・M&A責任者Josh Peleg氏 に話を伺いました。Josh氏は、BlueThroneが「数百もの小規模ユーティリティアプリを買収する戦略」から、「少数の高パフォーマンスなカテゴリリーダーに集中する戦略」へと進化した経緯、そしてその過程から創業者が学べることについて語ってくれました。
「横展開」戦略の落とし穴
初期のBlueThroneは、「横展開」アプローチを取っていました。つまり、懐中電灯アプリやQRスキャナーなど、シンプルなユーティリティアプリを数多く買収する戦略です。このモデルは短期的にはすぐにキャッシュを生み出しましたが、内容の浅いアプリはすぐに勢いを失ってしまいました。
この経験を経て、Josh氏が「BlueThrone 2.0」と呼ぶ新たな方向性が生まれました。それは、量ではなく深さを重視した、より焦点を絞ったモデルです。現在の同社は、プロダクトマーケットフィットが実証されており、オーガニック成長と高いリテンションを備えたアプリのみを買収対象としています。
プレイブックを進化させる
Josh氏は、買収される価値のあるアプリとは何かについても共有してくれました。最大のポイントは、予測可能な継続収益です。買い手は常に、広告収益型や単発購入型のモデルよりも、毎月安定して更新されるサブスクリプションモデルを高く評価します。
また、Josh氏は、売却前に数字を「盛る」ような行為──たとえば、短期的なプロモーションを実施して一時的に収益を押し上げるような手法──に警鐘を鳴らしました。こうした戦術は、買収監査時に裏目に出ることが多いからです。買い手が求めているのは、一時的なスパイクではなく、持続的で再現可能なパフォーマンスです。
数字を超えて
AIの進化によって開発スピードが加速し、技術的な参入障壁が低くなった今、マーケティングこそが新たな競争優位性となっています。今日、実際に大きなエグジットを達成している創業者たちは、優れた開発者であるだけでなく、コミュニティを築き、オーガニック成長を促進する方法を理解しているマーケターでもあります。
また、Josh氏とDavid氏は、ゲーム業界から着想を得たハイブリッド型マネタイズの台頭についても議論しました。たとえば、消費型アイテム、日次利用権、報酬型広告といった仕組みを取り入れ、サブスクに登録しないユーザーからも価値を引き出すという考え方です。このアプローチは、次世代のコンシューマーアプリを定義しつつある新しいプレイブックになりつつあります。
まとめ
あなたが初めてのエグジットを目指すインディー開発者であっても、長期的な価値を最適化しようとするグロースステージの創業者であっても、今回のエピソードは、現代のアプリ買収が実際にどのように行われているのか、そして買い手が無視できないビジネスを構築するために何が必要なのかを知る貴重な視点を提供してくれます。
Buying vs. Building: Scaling Beyond a Single App — Josh Peleg, BlueThrone
On the podcast: red flags that tank app valuations, why subscription-only apps are leaving money on the table, and how bootstrapped founders are cashing out for millions in months, not years.

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